久々の吹き替え

いつもは同じ記事に書いてしまうんですが、今回は記事を分けます。
 
先日、「アメリカのコナンファンの方がブログにコメントをくれた」と書きましたが、その方とメールのやり取りを始めました。その方によると、「コナンのアメリカでのコンテンツ展開に興味を持つ日本のファンは少なく、私の存在を知って他のファンも喜んでいる」とのことでした。私としては、日本語以外で唯一、多少はわかるのが英語である、というだけの話なので、なにやら申し訳ない気持ちになりますが。
 
ところで、去年、YouTubeのアメリカ公式が過去作映画を週替わりで配信していたことは書いていました。実は、同時に「友人知人と配信を楽しんでいるところをSNSに投稿したら、抽選でプレゼントが当たる」というキャンペーンをやっていました。私もそれ自体は知っていたんですが、「さすがに、アメリカ在住でもない私には関係ないな」とスルーしていたものでした。
そして、どうやらそのプレゼントというのが「Crunchyrollの1カ月見放題」というものだったようです。
これがどうしたのかと言うと……なんと、
このブログを読んで「私がCrunchyrollを見られなくて困っている」ということを知った他のファンの方が、そのプレゼントのギフトコードを譲ってくださいました
 
いや……こんな奇跡があるものですかね。正直、しばらく固まってから数日間「どうしようか」と迷い、実際にコードを入力する時には心臓がバクバクいってました(笑)。
ちなみに、その方自身はいいのかと言うと……悲しいことに、キャンペーンの応募者が公式の見込みよりも少なかったようで、重複当選だったそうです。
いや、「ギフトコード」で助かりましたね。メールにコードをコピペしてもらえば済むんですから。そして、私としては「その方自身が自腹で購入されたギフトコード」だったら、もう申し訳なくて使えないところだったので、「公式からのプレゼントの流用」というのは、丁度いい「渡りに船」でした。
 
それで、数ヶ月ぶりのCrunchyrollで追加エピソードを早速確認しました。結構な話数が増えていましたが、とりあえず一番気になっていた「キッド初登場」のスペシャルを見てみました。
いやー、Molly Zhangさんのコナン役も相変わらずカッコイイですが、Mauricio Ortiz-Seguraさんのキッド役が素晴らしい。あまりよく聞き取れない私でも、口調にうまくキッドの軽妙さやキザっぽさが乗せられていたのがわかりました。
 
ただ、いくつか気になる点がありました。「気になる」といっても、必ずしも落ち度というわけではありません
 
一つは、キッドに初めて「江戸川コナン、探偵さ」を言うコナンの声のトーンです。ちょっと低すぎた。
あのシーン、コナンは「完全に探偵モードでありながら、相手が自分を子どもと思っていることは利用する気満々」なんですね。表情も態度も完全に大人でありながら、声だけは子どもモードを残している、というトーンが私のイメージなので、「もうちょっと高い、微妙に子どもっぽさを残したトーンだったら完璧だった」というところでした。これはMollyさんの実力不足というよりは、高山さんがスゴすぎるだけですが。
 
あと、その直後の「April fool (ウソ)ってね」が「just a little white lie」となっていて、「キッドお前、自分が白装束だからって、嘘まで白くするな(笑)」と思いつつ一応調べてみたら、「white lie」で「優しい嘘、方便」という意味がありました。いやー、キッドが使うにはピッタリの言葉ですね。内容は全然「優しい嘘」でもなんでもないけど
 
あと、あの「怪盗は鮮やかに獲物を盗み出す~」のセリフは、さすがに私の英語レベルでは、ちょっと比較できませんでした。Crunchyrollの字幕機能に気付いて、セリフ自体は正確にわかるようになりましたが、さすがに単語一つ一つをいちいち翻訳にかけるのも骨だし。
 
そして、この話の謎解きは「月」がキーワードになるのは、どうフォローされるんだろう?と思っていたのですが……普通に漢字表記が出て終わりました。あれで理解できたのか、英語圏のコナンファンさんたち。
 
そして、私がすごくビックリしたセリフがあります。シーンとしては、ここです。原作16巻より。

「さあ、シッポを出せ、怪盗キッド!!」です。ここが「Time to make your move,Kid the Phantom Thief.(動き出す時だぞ、怪盗キッド)」になっていたんです。
最初これを聞いた時、私、「惜しい!」と思いました。「シッポを出す」って、かなり悪い言い方ですから、「make your move(動き出せ)」だけだと言い方が綺麗すぎるな、と。ちなみに、「バスジャック事件」でコナンが探偵団に反撃の指示を出した時のセリフも「バスがトンネルから出たその瞬間が勝負だぜ?」の「勝負だぜ」が「We'll make our move」になっていました。
しかし、よくよく考えて気付きました。コナンが言いたかったことは、まさに英語にあるとおり「動き出せ」なんです。なぜ日本語オリジナルのセリフが「シッポを出す」なのか?と。「尻尾を出す」の意味としては「悪事がバレる、ボロが出る」というもので、「動き出す」という意味ではない。
この時、コナンは既にキッドの変装相手が蘭であることを見破っていました。つまり、コナンにとって「キッドが動くことが、そのまま正体を暴く最後のヒントになる」という状況だった。これは訳もうまいですが、元のセリフがシンプルにカッコイイわ。
 
ちなみに、原作で他に「シッポを出す」が使われたのは、37巻のこのシーンでした。

「さあ来い、黒ずくめの男達!その汚ぇシッポを見せやがれ!!」
こうなると、コナンとしては「相手が動けば、オレは手掛かりを得られる」という意味で「シッポを出す、見せる」を使ってますね。自信家ぶりがよく出てます。そして、地味にこの口の悪さが好きだわ(笑)。
 
最後に「おっ」と思ったのは「ビルの屋上で消えた時と同じ手は使わせねーよ」です。
ここ、音声だけ聞いてて「sorry」って聞こえたんで、「あれ?」と思って字幕で見てみたら「Sorry,I'm not going to let you disappear again the way you did on that rooftop.(ごめんね、あの屋上で消えた手で、また逃がすつもりはないんだよ)」ってなってました。これも秒数の関係がわかりませんが、大胆にニュアンスを変えてきましたね。ただ私としては、灰原初登場で犬山を眠らせたコナンの「悪いけど麻酔銃で眠ってもらったよ」みたいな口調だと思ったら、こっちも全然アリだと思います。
 
まだまだ書きたいことがありますが、とりあえずこのエピソードについては、この辺にしときます。
最後になりますが、ギフトコードを譲ってくださった方に、改めてお礼を申し上げます。

コメント

  1. mint0h より:

    ふるーつさん,
    まだ設定していない場合は、Crunchyrollの字幕オプションで「English (CC)」を選択してください。「CC」は「Closed Captions」の略称であり、吹き替え音声の内容を正確に文字起こしします。「English」に「CC」が付いていないものは、元の日本語音声の翻訳です。
    「シッポを出せ」についてですが、これは比喩表現ですので、英語で最も近い表現は「show one’s true colors (本当の色を見せる)」となります。もし俺なら、この台詞は「Come on, let your true colors show, Kid the Phantom Thief!」と訳すだろう。「Show your true colors」もまた悪い言い方で、通常は否定的な意味で使われる。例えば、親切な人と思われている人が、子供に怒鳴っているところを見られた時、その人の「true colors」が露わになる。
    「sorry」の使用についてですが、確かに「悪いけど」と似ています。別の読み方としては「I’m afraid I can’t let you disappear again the way you did on that rooftop」となる。コナンはキッドに悪い知らせを丁寧に伝えている。吹き替え版の翻訳者は、文末の「ねーよ」を見て、そのニュアンスを考慮してローカライズしたのだろうと思います。
    怪盗キッドの「怪盗は鮮やかに獲物を盗み出す~」という台詞はかなり有名ですよね? 数年前、ユニクロはアメリカでコナンとのコラボを行い、キャラクターをモチーフにしたTシャツを数種類販売しました。怪盗キッドのシャツには、屋上を去る際にコナンに言ったあの台詞がそのままプリントされていた。
    2000年代初頭、Funimationが初めてアメリカ英語版を吹き替えた際、屋上でキッドが語る台詞はその吹き替え版ではかなり異なっていた。動画のクリップを投稿できればいいんだけど、お互いにトラブルに巻き込まれたくないんだ。旧版吹き替え版は、現在、販売も配信もされていません。DVDのコピーをお渡しできればと思うのですが、私は全作品を持っていませんし、市販されているものは高価か、おそらく海賊版でしょう。では、もしよろしければ、あの古い吹き替え版のキッドのセリフをここに書き起こしたいと思います。
    「You’re blind, Kid. You picked the wrong kind of work.」
    「お前、わかってないな、坊主。君は間違った種類の仕事を選んだ。」
    「Detectives are just pawns; outcasts in a legal system designed by corrupt officials.」
    「探偵は単なる駒に過ぎない。彼らは腐敗した役人によって設計された法制度における追放者である。」
    「Great theives are artists. We devise eloquent ways to steal priceless treasures from the filthy rich.」
    「偉大な盗賊は芸術家である。我々は、上級国民から貴重な宝物を盗むための巧妙な方法を考案する。」
    「What about jail?」
    「刑務所に入るのが怖くないの?」
    「What about it?」
    「だから何?」

  2. mint0h より:

    (前のコメントは未完成のまま送信されてしまいました。)
    時代遅れの吹き替え版はキッドをロビン・フッドに変えてしまった!
    Ortiz-Seguraさんがキッドの声を非常に上手く演じていることに同意します。英語版吹き替えにおけるキッド(およびJimmy Kudo)の初代声優、Jerry Jewellさんは確かに声を当てていたが、キッドとJimmyの声の区別がはっきりしていなかった。
    コナンで使われている英語に関する興味深い事実です。『瞳の中の暗殺者』で、警察が「Need Not to Know」という言葉を繰り返し口にしていたのを覚えていますか?それは実際には英語で使われる表現ではありません。実際、「Need Not to Know」を正確に検索すると、検索結果の大半はコナンに関するものになるだろう。Funimationが映画を吹き替えた際、「Need Not to Know」をより文法的に正しい「You Don’t Need to Know」に変更した。
    英語圏のコナンファンが、旧フニメーション版吹き替えと劇場版・テレビ版の日本語オリジナル台本を比較した記事をいくつか書いているので、このブログを紹介したい。第25話までの比較のみを行ったが、吹き替え版が制作された全6本の映画は全て対象とした。(https://magicsdetectiveagency.wordpress.com/category/episode-comparisons/)
    また、TMSのYouTubeチャンネルでは、2019年にBang-Zoomが吹き替えを担当した「EPISODE ONE」の吹き替え版が公開されました。まだご覧になっていないなら、ぜひ機会があればご覧になってみてください。

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