テープ起こしは練習問題が問題なのです

先ほど大型案件を提出しました。疲れた。本来作業日ではない土日も割とフルで使って聞き直ししまくりました。またいろいろ直されるかもしれないけど、もうどうにでもなれ。
というわけで、今日は私の仕事、テープ起こしについての話です。
これは、仕事としてテープ起こしをするときの苦労や面倒に関することではないのですが(むしろ、仕事にしてしまえば解決します)。私が悩んだことをちょっと書いてみます。


テープ起こしを紹介するサイトや記事には、よく「試しにテレビやラジオ番組を録音して起こしてみましょう」と書いてあります。しかし、私に言わせれば、それは「適性の確認」にはなっても「練習」にはならないんです。
なぜか。「自分で録音した音源は、既に内容が分かってしまっているから」なんです。仕事として振られてくる音源は「自分のまったく知らない人が、よく分からないことをずっと話している録音」なんです。あらかじめ内容が分かってしまっていては、タイピングやソフト使いの練習にはなっても「テープ起こしの練習」にはあまりならないかな、と思うのです。
私が思う理想の練習問題は「見も知らない人がよく分からないことを数十分話していて、かつ何を話しているのか読めば分かる答えがついている音源」です。これ、自分で用意するのは至難の業ですよ……。
 
それをクリアしているのが、それ用のテキストやテープ起こし講座だったりします。
テープ起こし業界で1番メジャーであろうと思われる「文字起こし技能テスト」を受験しようか迷って(結局は受験料をケチって見送りましたが。余裕があれば一度受けてみたいです)テキストを買ったら、音源が様々あってとても助かりました。
ちなみに、私が数年前に受講したヒューマンアカデミーの「ボイテックスライター養成講座」では(今は名称が変わってるようです)「テープ起こし技術者資格検定試験」というものを前提として講座の項目があったんですが、普通に落ちました。講座修了のタイミングで次男の出産から育児に入ってしまったので1年くらいブランクがあったのはあるんですが、正直言って何度も受けるメリットがここには感じられず、次に受けるなら「文字起こし技能テスト」のほうだな、と思ってます。
 
「文字起こし技能テスト」はテープ起こし会社が求人募集の際に応募資格の1つに挙げていたり、「受験したことがあるなら点数を教えてください」と言ってくるところが時々あるくらいには業界内で信用度のある試験です。とはいえ、調べてみたら主催団体の設立が2017年なのでそんなに歴史があるわけではなさそうですが、どうも「業界から経営者たちが集まって団体を設立して資格試験を立ち上げた」という感じなようです。
 
通信講座の話をもう少しするなら、「親身な添削指導があります!」とアピールしていることが多いですが、私は仕事として始めてみて感じたのは「添削指導にはあまり意味がない」ということです。
というのも、通信講座を受講するような人は当然のことながら実務経験がないので、「経験者のみ」や「経験者優遇」といった求人にはどのみち応募できないんですよね(応募したところで書類選考で落ちるでしょう)。そうなると「未経験OK」の会社に応募するしかなく、そういう会社はだいたい最初から育てる用意があるので添削指導してくれます。しかも、これからずっと使っていくであろう会社のルールを使って指導してくれるので、講座のために覚えた仕様などは不要になります。私も、実際に仕事にしてからは、それまでまったく知らなかった仕様を山ほど覚えることになり、そして起こした原稿は本当に一字一句レベルで直されております。
とはいえ、添削指導があるかどうかは恐らく受講者の気概に関わってくると思うので、別に通信教育会社に「添削指導なんてやめちまえ」とか言うつもりはまったくありませんが。
 
そして、地味に「正解がなくて大変」なのがケバ取りです。これは、自分でいくら音源を用意して起こしてみても、誰もやってくれないので本当に「そのための教材」がないとできません。ある意味、文章に起こすことより重複や言いよどみを削るほうが判断力が必要で難しいです。「これはニュアンスを考えると残したほうがいいような?」で残しておいた言葉が、校正で容赦なく削られてるときは精神的にかなり疲れますよ。「あーあ、ここ迷ったのにな…」ってなります。


こういうことを考えると、仕事の感覚を掴むためにテキストをやったり通信講座を受講したりするのは、テープ起こしを仕事としてしていきたい人にはとても有意義な気がします。

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