「興行収入100億円」よりも嬉しいこと

すみません、前回の記事で思いっきり思い違いを披露してしまいました。
映画を観てて、私はてっきり聖はセスナ機で自ら函館山に突っ込むつもりなんだと思って「死ぬつもり」である前提の感想を書きましたが、あれって「爆薬を投下だけして普通に帰還するつもり」だったんですね。セスナ機が山に突っ込んだ時、聖の身を案じる良衛に「いや、お前が特攻させたんだろ?今さらなに心配してるの?」と思ってしまいました。良衛としては、聖は山を爆破してまたセスナ機で無事に戻ってくる予定だったんですね。勘違いでした。
いや、だって「絶対使わなきゃいけないボタン」を亡き母親の写真で隠してるんだもん。落とす気満々の聖がわざわざ一番重要なボタンを、しかも大事な母親の写真で隠してるとは思わなかったんですよ……。
 
というか、あそこリピートして、機体の操作にまごつく服部君にちょっと違和感があったんですが。
私は当然のように「服部君はコナンと同等のスキルがある」というイメージで、「そのくらいの機体いじれるでしょ?なにを迷ってるの?」と思いましたが(笑)、思えば服部君にコナンと同様の「ハワイで親父に」スキルがあるなんて、まったく明かされたことありませんでしたね……(銃の扱いくらいは、それこそ海外とかでやってそうな気がしますが)。
 
あと1つ地味に「制作陣、ちょっとフォローしようよ」と思ったのが、序盤でのコナンの「昨夜、(服部は)部屋に戻ってこなかったよ」でした。え、服部君ってコナンと同室のホテル取ってたのか
高校の部活で大会に出るに当たってのホテルで、完全部外者のコナンと同室にするな(笑)。沖田が「明日は団体戦がある」って言ってたじゃん。部活の仲間と同室にするのが道理でしょう。
 
それにしても、映画がこれだけヒットしていても、アニメの作画クオリティは特に上がらないなーと思いながら、ふとアニメ制作会社の待遇について気になりました。
丁度去年に「初めての映画」体験記 の最後に「コナンがヒットすることが現場スタッフさんたちの待遇改善につながるなら、ファンとして誇りに思える」と書きましたが、実際にコナンの制作会社の社員さんたちの待遇は業界内ではどうなのだろう?と思い、少し調べてみました。
私はアニメの制作会社には全然詳しくないので、「アニメーション制作会社」で検索して出てきた社名を適当にピックアップしてみました。「原画や動画は外注の業務委託が基本」というのは知ってましたので、そこの作業単価はさすがに調べられないだろう……というか、描く難しさがカットによって違うと思われますので、とりあえず制作会社自体の正社員または契約社員の、公表されている募集情報から見てみます。
 

  • トムス・エンタテインメント

まずは「コナン」の制作会社から。昨年の時点で社員の基本給をかなり上げたようで、報酬制度の改定に伴う初任給引き上げについて | プレスリリース において「新卒の初任給は26万円になります」と公表しています。
で、現在の募集内容から、できるだけ安そうな、と言うとあれですが、現場に近そうなポジションが「制作進行(契約社員)」で月給例が27万円~33万円でした。ちなみに、来年度の新卒募集ページはまだ開設されていませんでした。これは4月に調べたのが悪かったか。
 

  • MAPPA

「呪術廻戦」「進撃の巨人」が代表作ですかね。
制作部の契約社員(正社員登用の場合あり)で固定残業時間、深夜割増手当を含んで24万6,000円、作画演出部の管理職で、こちらは正社員22万円。これも固定残業時間、深夜割増手当含む。
 

  • bones

「文豪ストレイドッグス」「僕のヒーローアカデミア」など。
「作画部」育成情報は未定。「制作進行」部門の新卒募集では基本給21万円、手当5万円でした。3DCGアニメーター、モデラーはまた別枠募集で基本給20万、手当5万でした。
 

  • 京都アニメーション

あの痛ましい「京アニ事件」のあった京都アニメーションですね。手がけている作品は、失礼ながら私には馴染みのないタイトルが多く「名前は知ってるけど……」という感じでした。「涼宮ハルヒシリーズ」でちょっとピンとくるかな?程度です。
上の3社は新卒、既卒共に募集してますが、こちらは中途採用の募集はありませんでした。というか新卒採用用のページもまだ開設されていないので、現時点での外部からのアクセスでは募集情報がまったくわかりません。
 

  • Production I.G

「ハイキュー」以外の作品がイマイチよくわかりませんでした。
こちらは珍しく、業務委託の募集要項がありました。作業単価はさすがに出てませんが、契約金として年額120万円が提示されています。仕上げや3DCGに携わる正社員の月額は共に22万円だそうです。っていうかキャリア採用の契約社員、正社員共に月額21万円で提示されています。キャリアとは……。
 

  • A-1 Pictures

ここは私にとっては「まじっく怪斗」の2期を制作したところ、という記憶です。他の制作実績も見てみましたが、どれをピックアップしていいかわかりませんでした。
こちらは新卒の他、「既卒は職例がないこと」という募集条件が少々不思議ではありますが、作画、原画、制作進行職で月給26万円が提示されています。「固定残業代含み」と書いてありますが、残業の有無に関わらず支給されるようなので、額面で見るならかなりの高水準ですね。
 

  • ユーフォーテーブル有限会社

ここは「鬼滅の刃」を制作した会社、の一言で済みますね。
しかし、スタッフの募集要項で見ると、正社員の募集でも「給与:選考期間において開示します 賞与:業績により支給」という、なかなかふざけた募集要項でした。とはいえ、「3年離職率:11%」ということは、そんなに悪い待遇ではないのかもしれません。
 

  • MAD HOUSE

私もサンデーでたまに見かける、今話題の「葬送のフリーレン」の制作会社でした。
こちらは動画スタッフとその他の採用を完全に分けているようです。動画スタッフは養成スクールを修了すると業務委託に進むという形のようです(そこで契約社員とかにしてあげないのかな)。制作職、コンテンツ推進職にて契約社員を募集していますが、現場っぽい制作職を26万円で募集しているのに対し、ちょっと上にいってそうなコンテンツ推進職では23万円での募集でした。
 

  • 株式会社バンダイナムコフィルムワークス

ガンダムをはじめとしたロボットアニメで有名な会社ですね。ここはさすがに私でも知ってます。
こちらも作画スタッフの自社育成に力を入れているようで、スクール修了生は契約社員として雇用するようです。初任給は23万円とのことでした。
 
まだまだ出てきましたが、きりがないのでこの辺で。
こうしていろいろ調べてみると、突出しているわけではないにしろ、トムス・エンタテインメントの初任給26万円というのは、業界内の相場としてかなり高いということがわかりました。といっても、あくまで直接雇用の社員、もしくは業務委託にしても「会社から支払われる固定費」という基準で抜き出したものなので、外注の作業単価も同様に引き上げているのかどうかはわかりませんが。
 
今年の映画もめちゃくちゃヒットしてますし、私も時間とお金が許す限りまだまだ観たいと思っているので、こうした利益でもっともっと制作現場の作業環境や待遇改善をしていってもらえたら、お金の払いがいがあると思います。

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