少し時間ができたので、やっと数件分の校正内容の確認が終わりました。ほとんどが年明けにヘッドホンを買う前に納品したもので、何となくイヤホンで聞いていた時より聞こえがいいような気がやっとしてきました。
そして、割と気分がすっきりするのが、「私が聞き取れず不明マーク処理した箇所が、その不明マークのままで返ってきたのを見る時」だったりします。「ベテラン校正ワーカーさんでも、ここはやっぱり聞き取れないんだね」と思えるので。
ただ、今の会社のワーカーさんからの校正を見ていて思うのが「聞こえた言葉より、文脈から推測した言葉のほうが正解であることが多い」ということですね。「○×と聞こえるけど、文脈的には○△と言っていそう」という時に、私は自分の耳を信じて「○×」と起こしてたんですが、どうも結果的に「○△」が正解とされる事が多いです。そんなに思い込みで聞いてるかな、私……。
今の私に振られる仕事ってインタビュー案件が多いので、そんなに双方とも理路整然としたやり取りばかりしてるわけでもないんで、普通に「○×」じゃないの、と思うんですが、ベテランさんが判断したことに異を唱えるような真似もできず、結局は「聞こえた言葉よりも文脈の自然さを優先」ということになるんですが。
よくテープ起こしのお仕事紹介で「タイピングが速い人が向いている」と書かれていて、基本的にはタイピングは必須スキルではあるんですが、「タイピングが速い人はそのままテープ起こしに向いている」かというと、それはまったくないです。
テープ起こしに必要な素質は、私としては今のところ、「タイピングの速さ」「日本語の読解力」「日本語の語彙への親しみ」かな、と思います。
かなり前に書いたテープ起こし向き?のタイピング練習法 で少し触れていますが、特に業者の契約スタッフとして仕事をする場合、「どこでどういう表記にするか」「どの漢字を使うか」は、本当に一字一句レベルで直されます。私も今の会社と契約して数ヶ月、もう10本以上の音源を起こして納品してますが、未だに「とき・時」「ところ・所」「かける・掛ける」などの使い分けがキッチリ区別できておらず、直されます。
逆に、クラウドソーシングで作業を請け負う場合なら、別にそこまで求められないとは思いますけどね。あっちはクライアントが納得しさえすればいい所なので、正しい表記とか関係ないでしょう。一度、実際に請けてみたいんですが、まだ機会がないですね。
一度クラウドワークスで請けてみようと応募したんですが、選考に入る前に会社から依頼が入ってしまい、辞退することになりました。
また、テープ起こし依頼に圧倒的に多い「ケバ取り」も、「日本語の文脈を理解する」ということが大前提の作業です。
今の会社はスタッフ用ページのマニュアルにだいぶ載ってるので、わざわざ問い合わせることもないですが、「○○という言葉は副詞なら漢字、接続詞なら平仮名」みたいな説明が普通に載ってますからね。私はそれを見て、30になって「副詞って何だっけ?」と調べてしまいました(笑)。
前の会社では「この言葉は、どうやって漢字とひらがなの表記を使い分けたらいいですか?」とよく質問して、「大体こんな感じです」と説明する返信メールにさらに混乱して「え、結局どういう基準……?」となったりしてましたが。
日本語の表記って本当に難しいです。
というか、音声認識で起こせる環境であれば、タイピングスキルさえもそれほどいらない気がします。
私は、残念ながらいろいろ調べてもよさそうなソフトが分からず、会社に問い合わせた結果「現時点で社内規則に合致する音声認識ソフトが存在しない」(正確にはないことはないんですが、今は販売していないそうで入手困難)という見解をもらっており、全て手打ちでタイピングするしかないのであまりその手のソフトには詳しくないんですが、契約先の会社が認めているのであれば、音声認識ソフトを使ってざっと起こしたのを修正したほうがはるかに早いと思います。
私もいつも1時間レベルの音源をひたすらタイピングしてますが、だいたい40分くらいまで起こす頃には、手が痛くなって速度がかなり落ちてきます。タイピングそのものが好きな私はそれでイライラして、さらにタイプミスするという悪循環が始まったりするんですが(笑)。
ただ、前はタイピングだけをひたすら楽しくやっていて、最初にざっと起こす時間が1番好きで、その後の聞き直しや整文作業はちょっと苦痛でした。でも最近は、聞き直しで初めて言葉が確定できたり、文章の流れから不明箇所を推測するのも少し楽しく、モチベーションが保てるようになってきました。
整文も、要領が分かってきたので、起こした文章を見返して整文箇所を見つけるのが楽しくなってきたりしてます。素起こしでない限り何かしら修正する箇所は出るので、「あーこれ言い直しだ、削ろう」とか「この「やっぱり」って削っていいか?」とか、いろいろ文章を読み直しながら言葉を整理していきます。中には文法的に語順がめちゃくちゃな発言もあり、「あーもう!この辺、言葉全部整理したい!」とかもありますね。しかし、勝手に文章を整え過ぎるのはNGなので「これをどうやったら、決められた整文の範囲でまだ読みやすい文章になるか」をあれこれ考えたりすることもあります。
そのお陰か、校正ワーカーさんからのコメントでは「句読点の使い方が上手で原稿が読みやすい」と褒められることが多いです(で、その次に聞き間違いのダメ出しをされて落ち込む…)
テープ起こし業者のサイトによくアピールされてますが、「読みやすい文章に仕上げる」ことはワーカーとしては必要な能力なんでしょう。なので、契約ワーカー募集の要項で「編集者やライターの経験があること」というのを出す業者もたまにあります。
とりあえず、新しく買ったヘッドホンで聞き間違いをツッコまれる頻度を減らし、もう少し楽しく仕事ができるようになればいいなと思います。
テープ起こしに必要な、日本語への親しみ
テープ起こし
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