今年、「ハロウィンの花嫁」を数字的に気にするようになって、近年の映画のことを調べると、私がまったく知らなかったことがいろいろ出てきてびっくりします。というか、ぶっちゃけ「映画の売り方」について、なんですが。
コナン映画は「入場特典を付けないのに大ヒットするシリーズ」として有名だったことを6月くらいに知りました。私、毎年必ず観る映画はコナンだけなので、「今やアニメ映画に入場特典は当たり前」ということも知らず。
ただ、この「入場特典」の用意の仕方、配り方についてはなかなか議論があるらしく、公式がレア感をあおって興行収入を釣り上げるために数を絞った結果、案の定転売屋の餌食になって高額で取引されたりとか。豊富な種類の特典をばらまいた結果、「映画はもう見飽きたから特典だけもらって帰る」というファンが続出し、システム上は満席のはずの劇場が実際はガラガラになったりだとか。
その関連で、こんなニュースを発見しました。特典目当てで映画見ないで帰る客は「不快」 「正論」はいて映画館ツイッターが謝罪、停止より。

映画館スタッフが「特典だけもらって、映画を観ずに帰るのはやめて!」と訴えた結果、恐らくは「その苦言を呈されたファンみたいな人たち」から猛反発を受け、謝罪に追い込まれた、という。
ちなみに反発理由は「金を払ってるんだから、どうしようが勝手」「客を小馬鹿にしてる」だそうですが、これってレストランの料理やタピオカミルクティーやクリームサンドをインスタ映え目当てで頼むだけ頼んで、写真撮ったら結局はほぼ口をつけずに帰る客と同じ理屈だと思うんですが。一応「食材が無駄になる」という違いはありますが、ぶっちゃけ「モラル的な問題」としては同じですよね。
加えて「そんなに嫌なら、特典を配らない作品だけ上映すればいい」という、末端のスタッフに無茶振りとしか思えない反発もありました。
一応、そのスタッフに同意する意見として、

というのもあり、ほっとした気持ちにはなりますが。ただ、この騒動が2013年のことであり、10年近くたった今でも同じ売り方が堂々とされているところを見ると、軍配はクレーマーに上がっていると思わざるを得ない。
恐らく業界としては、下手に基準を設けたり禁止したりするより「どんな手法だろうと稼ぎは稼ぎ」として、「特典でヘビーリピートを引き出せば、本来なら映画化できなかった作品でも映画化でき、業界全体の活性化になる」みたいな方針なんだろうな、と推測します。ナマナマしいことで。
ところで、映画を売るための公開後の手法として「舞台挨拶」というのもあります。私は行ったことはないですが(コナン映画の舞台挨拶って東京と大阪でしかやらないイメージだなぁ)。
それを全国の映画館で生中継することで動員を上げる、という手法もあるようで。こちらは主に実写映画で使われるようですが、声優さんを集めてアニメでもあるとか。
それに関連して見つけたニュースがこちらです。香取慎吾が「帰るな!」退出者に激怒!舞台挨拶だけで帰ろうとしてる人間に対して。
このページだと見にくかったので、もうちょい要約された別のページをご紹介。香取慎吾、舞台挨拶で「最後まで観てけ」激怒! 堂本剛「ブチ殺す」、二宮和也「キレるよ」…タレントを悩ますジャニヲタの言動 より。

私、この件を知って、上の劇場スタッフの話を思い出しました。「え?お金払ってるんだから、その後どうしようが客の勝手なんでしょ?」と。だからアニメ映画の「特典目当ての観ない客」も黙認されているんだろうと。もちろん、上の件でクレームを入れた人たちとこの件で憤慨する人たちは別の層なのはわかってますが、業界の問題としては同じことではないかと。苦言を呈したのは劇場スタッフさんもこの香取さんも同じなのに、かたや「金払ってんだから勝手だ」「客を小馬鹿にしてる」とクレームを食らい謝罪に追い込まれ、かたや「そうだそうだ、慎吾が可哀相だ!」と同調される。この差は一体?
あ、この件に対する私の感想としては「映画の数字を取るために「演じるキャラクターではない自分自身」が出て客引きしてんだから、そんなもん割り切れよ。嫌なら欠席でもしろ」でした。(そう思わないと「公式が特典配布にやる気を出すかどうかで数字が大きく変わる」アニメ映画の現状は辛い)
言っちゃなんですが、舞台挨拶なんてそんな何十回もしない(というか、できない)ですよね?恐らくは、キャストが舞台挨拶の後の映画をガン無視される回数より、劇場スタッフが映画をガン無視される回数のほうが遙かに多いと思う(なにせ扱う作品数が凄いだろうし)。「自分が制作に直接関わったかどうか」は確かに大きいですが、それでも「実際に映画に背を向けられる苦痛」は劇場スタッフのほうが味わってるんじゃないか?
ちなみに、「ハロウィンの花嫁」の少し後に公開された某アニメ映画が特典ばらまいてたんでファンの反応を見てみたんですが、「同じ映画を5回も観れば飽きる。もう特典だけもらって帰ろう」とか「特典なくなってた。お金無駄にした」なんてことを堂々とツイートしてるファンがいて、ちょっと呆れましたね。「大好きな作品の、多分最初で最後の映画だろうに、飽きるの早いな」と思った……。私が「気に入ったものは何度でも見る、読む」タイプなので、なおさらそう思うのかもしれませんが。でも、「名作は何度でも見れる」は万国共通だと思う……。あ、もちろん「特典目当てながらも映画も20回しっかり観てる。まだまだ観れる」というファンの方もいらっしゃり、私もとても微笑ましい気持ちになりました。
……とまあ、私の主張をぶちまけてみましたが、これを読まれてどう思われるかは自由です。


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