聖地巡礼、地域活性化についての素人語り

もう2日前のことになりますが、我らが「コナン」が第15回ロケーションジャパン大賞なるものを受賞したそうです。
プロモーションに尽力された函館市や関係者の皆さま、映画製作陣の皆さま、本当におめでとうございます。
私自身、聖地巡礼しようとしてできなかったこともあり、代わりに近所のスーパーで北斗市のメーカーのレトルトカレーを買うようにしたりしたのですが(笑)。
 
しかし、【速報】第15回ロケーションジャパン大賞 グランプリは劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』×北海道函館市(ロケーションジャパン) によると、

審査には観光庁をはじめとした有識者が協力。約2万人の一般投票による「支持率」、撮影隊へのサポートやロケ受け入れの体制等の「撮影サポート度」、地域の周遊を促す取り組みを表す「行楽度」、広告換算効果や観光客の増加率などの「地域の変化」といった4つの指標をもとに行われた。

とのことなので、映画自体の出来だけでなく、官民一体となった聖地巡礼促進活動が評価されたということでしょう。っていうか官公庁が噛んでたのか。知らなかったわ。
 
以前にも議会から見る「コナンへの期待」 でご紹介しましたが、函館市があの映画に絶大な期待を寄せていたことは明らかで。


そもそも函館市がプロモーションに出していた予算と、かけていた労力がすごいですから。そりゃ評価されるでしょう。
 
あと、地味に「コナンは有利だったな」と思えるのが「映画自体の製作予算」だったりします。
映画プロデューサーさんのチャンネルで、ちょろっと映画の制作費について触れられているんですが、

関係者の方ではないので推測にはなりますが、恐らく制作費は10~20億円代であろうとのことです。
それだけの予算をかけて作れる映画が、そもそも滅多にないでしょうからね。
もちろん制作費や宣伝費次第ではありますが、映画のヒット判断の基準は「10億円」と言われているとか。その半分が映画館の取り分として、宣伝費やスポンサーの取り分、入場特典の制作・運送代なども考えると、「制作費で10億円」は確実に「破格」の部類でしょう。
「100万ドルの五稜星」は背景の緻密さとは別にキャラクターの作画は所々乱れていて、私もちょっと気になったりしたのですが、それでも並のアニメ映画作品よりは、遥かに人物にも背景にも予算をかけられたはずです。
 
と、ここまで「コナン映画のロケーション映画としての有利さ」を書いてきましたが、やはり上に引用した「行楽度」、「地域の変化」まで考えてみると、最後は「作品の工夫がもたらした受賞」かなと思いました。
というのも、私も「コナン」を褒めるニュースや記事は大好きなので、あれこれ検索ワードを変えて調べまくってるんですが、こんなブログを見つけまして。
名探偵コナン 過去最高の興行収入 地方×アニメの新たな可能性 
海外在住のブロガーの方のようですが、出身が函館ということで、映画についてとても熱く語ってくださっていました。
その中で「アニメ作品による地域活性化のためのポイント」を独自に考察(?)していらっしゃいます。曰く、

  1. 官民連携によるキャンペーン。今回の映画でいえば、市の予算2000万円+ホテルやJR北海道などが独自に様々なキャンペーンを打っていました。
  2. 地元の有名人による告知。これについては、現函館市長とされていますが……ゲスト声優が市長の弟さんになったこと自体は恐らく偶然なので、作戦というにはちょっと弱いかな(大泉市長が市長に当選されたのは去年だったそうなので)
  3. 季節を分けたキャンペーン……は、単に「来れる人にはできるだけリピートさせたい」という入場特典的発想だと思うので、これもちょっと微妙かな。
  4. 有名な名所をわかりやすく取り上げる。五稜郭、函館山の「100万ドルの夜景」といったメジャースポットですね。そこに八幡坂、北海道東照宮なども入れ込んだストーリーはさすがでした。
  5. 飲食店を取り上げて誘客を促す。これが個人的には「スゲーな」と思いました。「飲食」という、絶対誰もがやらなきゃならないポイントを使って、北海道のご当地チェーン(なのかな?)をめちゃくちゃ自然にストーリーに取り入れてましたからね。今回の映画で「ラッキーピエロ」を覚えなかったコナンファンはそうそういないでしょう。
  6. 地元民に愛される歴史上の人物を取り上げる。これも上手かったですね。実際には土方歳三自身はほぼ無関係だったにも関わらず、「宝を隠した斧江圭三郎が土方歳三マニアだった」という理由で、土方ゆかりの場所やアイテムにつなげています。
  7. 海外勢へのリーチとして「英語字幕上映」もされていましたが……日本国内で英語字幕をつけて上映しても、私のような「語学に興味はある日本人のマニア」がチケットをコレクションするため買う、くらいの効果しかなさそうなので、これも微妙かな。実際、公式アカウントの英語字幕上映の告知に対して「(日本までは)見に行けない!アメリカでも上映してください!」という要望が挙がってました。

ブログで挙げられていた「アニメによる地域活性化のためのポイント」のうち、これだけの要素があの映画、そしてプロモーションでカバーされていました(まあプロモーションの専門家さんではないと思うので、あくまで参考程度かとは思いますが)。
前半は関係者が「コナン」のネームバリューに全力で乗っかった結果(笑)ではありますが、後半は製作陣の努力と工夫の結果です。そりゃグランプリにも選ばれますわ。
 
ちなみに「聖地巡礼効果」としては、コナンは「定番シリーズもの」という点において、既に有利ですね。毎年やるがゆえに、新作が公開されれば必然的に過去作も注目され、配信やレンタルで改めて、あるいは初めて興味を持つ人が継続的に現れる、という需要の掘り起こし効果が、シリーズが続く限り期待できますから。25年応援してきて良かった(私は「世紀末の魔術師」から毎年必ず観てますので、去年が25周年記念でした)。
 
もう間もなく前売券の発売だというのに全然情報が出てこなくて若干不安ではありますが、今年の映画はロケーション作品としてはどうなっているのか、2年連続グランプリなるか(まあ舞台が雪山なんで、かなり厳しいとは思いますが)、注目していきたいと思います。

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