※ネタバレ全開※いろいろツッコミたい

昨日は、いよいよ新作映画が公開されましたね。
私も、息子たちの登校に付き添ってから映画館に駆けつけました。
息子たちに「観たい」と言わせることができたので(笑)、日曜に旦那も一緒に行くつもりだったのですが、テレビで番宣やCMを見ているうちに長男が「早く観たい、土曜に連れてって」と言ってくれたので、急遽今日、また行ってくることになりました。
 
先に私の感想を書いておくと、とりあえず初見の印象としては「ほぼゼロの執行人」でしたね。櫻井さんは本当に「警察組織のゴタゴタ、司法制度の問題点」が好きなんですね。とはいえ、さすがに使う頻度が高すぎて「またか」と思ってしまいました(組織編ゆえに入れられなかった作品を除けば、ほぼ全ての作品にその手の主張が入っている)。「コナン」って櫻井さんの自己主張の場ではないはずなんだけどなー。
というか、「隠れ公安」って結局何ですかね?「執行人」の「協力者」の警察内部バージョンか?正直、「既に警察内部の他の立場にいる人物を、わざわざこっそり公安のスパイにする」意味がわかりませんでした。「隠れキリシタン」じゃないんだからさ……。「ハロウィンの花嫁」であれだけ強権的に、捜査権そのものを一課から取り上げることすらできた公安に、同じ警察内部のスパイとか要るか?
民間人にも多数のスパイを抱えていることが既に明かされている公安が、警察内部にもスパイ作ってる上に、本人もスパイやってるって……やりたい放題だね公安。「司法取引」の法改正、いる?もはや制服公安の風見とその他の部下が貴重に思えてくる。
 
あと、覚えている範囲で気になった所を書いていきます。

  • 冒頭にちょっとだけ出てきたサッカーの謎

なぜ一旦コナンを「サッカーの試合に行くから展望台に行けない」ことにしたのか。しかも蘭に「新一と行くつもりだったけど(案の定)行けなくなったから」と言わせてまで。いや、コナンが実際に新一だから流れてるけど、蘭にしてみれば、別人であるはずのコナンに向かって「コナン君は新一の代わり」と言っている状態ですよ。「天国へのカウントダウン」で「コナンに好かれていることを蘭自身も多少知っている」設定がもし生きているなら、これはかなり無神経な言いぐさだよ、蘭……。
正直、「黒鉄の魚影」であたかもコナンと灰原が恋仲かのように描いて炎上したことに怯えて、わざわざ「コナンが蘭の彼氏であることはちゃんとわかってます」と、今さらフォローを入れたのか?と、邪推してしまいました。
そして、なぜか空手の道着でサッカーの試合に参戦させられる京極。ここ、私は「11人目のストライカー」を思い出してモヤモヤしてしまいました。園子が入れ込んでいたサッカー選手はヒデ(赤木英雄)ではなく比護だったはず……。恐らく櫻井さんが比護選手の存在自体を把握していないため、かろうじて「サッカー選手」として記憶にあったヒデと「ミーハーだから誰を追いかけさせても構わないだろう」園子にくっつけたと思われます。
 

  • 今さら結婚の件で由衣を責める大和

数多い「コナン」カップルの中でも「一度別の男と結婚している」由衣は異質な存在で、映画でもそこに触れることは想定していましたが、まさか大和に「俺が死んだと思って地元の名士の息子と結婚した」(細かいセリフは覚えてませんが)と責めさせるとは……(っていうか、由衣が結婚したのは「地元の名士の息子」ではなく「事件関係者」でしょうよ。余計印象が悪くなる言い回しはやめてくれ)。
私としては、原作59巻の、

ここで、それについては双方納得したと思ってたんですよ。
なので、触れるとしても「当時のお前はそうするしかないと思ったんだよな」みたいなフォローとして触れてほしかったです。
しかも、責められた由衣が「じゃあどうすればよかったのよ!?教えて!」と叫んだ後、(襲われたのもありましたが)大和は答えていません。つまり、「大和の頭脳をもってしても由衣が取るべきだった最適な行動はわからないが、とにかく自分以外の男と一度でも結婚した由衣が気に食わない」ということですよね……。これは由衣にとって理不尽すぎる。想いを寄せていた大和を亡くした(と思った)上、ならば自分にできる精一杯の方法で事件を解決しようと動いたのに。
 

  • 結局父親が大事なの?大事じゃないの?

犯人である林ですが、原因となった真希さんの父親にまったく認知されていなかったのがちょっと気になりました。
この犯人と被害者に似た関係性が、原作にもあります。原作23巻、「シンフォニー号連続殺人事件」です。

これを思い出して、「普通はこれくらいの認知はするよなぁ」と思いました。会う前に事件が起こってしまい、娘が亡くなってしまったがゆえに面識ができなかった父親と彼氏、という関係性が同じです。
父親である英三さんは「娘に恋人がいたらしい」とは察していたものの、それが林だとも、林の顔も知らなかった、らしいですが(もし知ってたなら、コナンや大和たちはまずそれを聞き出すべき)。そうなると、林は最愛の真希さんの葬儀にも出席せず、父親を支える気も毛頭なかったのでしょうか。
上に貼った海老名に関しては、「事件当日、銀行に来るはずだった父親が事件で来れなくなったために強盗に対処できず、娘が亡くなった」という経緯からこの父親に対しても隔意があった海老名は、葬儀以外では父親と会おうとしなかった、という経緯なので鮫崎が海老名の顔も知らなかったのは納得できます。
しかし林に関しては、エピローグで安室が「お前が真実をバラせば、彼女の父親も好奇の目に晒されて苦しむぞ」と脅したら、あっさり引っ込むくらいには情がある様子です。ぶっちゃけ、父親が好奇の目に晒されることに関しては、公安の動きとはまったく関係ないので、「裁判で全てバラす」と決意した時点で、それは織り込んでおくべきなのですが……林、安室に言われるまで気付かなかったのか。そんなに気遣いが及ばないほどどうでもいい存在なら、もう見捨てて望みどおり全部バラしちゃえば?と、思わんでもないです。
 

  • 「ワニ、ワニ」としつこい小五郎

小五郎が鮫谷を「ワニ」と呼び続けることが事件の伏線にもなっていたわけですが、正直言って「話の都合すぎるだろう」と思いました……。
最初に鮫谷からの電話がかかってきた時点からおかしかった。取り次いだ蘭が「警視庁で一緒に働いてたっていう鮫谷さん」と言っているので、鮫谷の方も最初から「名前だけでは小五郎は反応しないだろう」と思っていたようです。だったら「警視庁で一緒に働いていた」なんて無個性な情報じゃなく、初めから「ワニというあだ名」を名乗ればいい話
それが何故ああなったかといえば、「小五郎が鮫谷をワニと呼び、かつその経緯を明かさない状況を作りたかったから」ですね。他の人物に対しても同様で、「鮫谷という人物をワニを呼ぶのは一般的に見ておかしい」ということくらい小五郎だってわかるはずなので、紹介の時点で「ワニ……じゃなかった鮫谷」とか「ワニこと鮫谷」とか、名前を添えるでしょう、普通なら
その鮫谷と小五郎の関係性も、イマイチよくわかりませんでした。劇中の小五郎の反応を見るに、目暮警部と同等の存在だったように見えるのですが、その割に目暮警部が鮫谷のことをよく知らない様子だったのが謎すぎる。いつ一緒に働いてたの?
そもそも、事件関連以外で鳥取に縁のない小五郎が「鳥取でそう呼ばれていたから」という理由だけで、本名を忘れるほど「ワニ」というあだ名に馴染んでいたのも謎ですけどね。どんだけ「ワニ」呼びを自ら売り込んでいたんだろう、鮫谷。(もう一人鳥取出身の友人がいて、その人物のワニ呼びが小五郎に移った、とかなら納得できるんだけど)
 

  • 長谷部さん、演技派の謎

林を追って長野まで来たなんちゃって検事・長谷部さん。なぜあんな傲慢な態度を装っていたのかが単純に謎。メタ的にはミスリード要員としてでしょうけど、そのメタ事情以外にもうちょい、あの居丈高な態度に理由がほしかった。
 

  • タイムスリッパー風見?

「コナンに盗聴器が仕掛けられる」という珍しい展開を作り出した原因である風見。結果としてその盗聴器をうまく使い、安室や風見と情報共有をしたコナンですが、その理由が「コナンの力を借りたかったから」って、おい……。
いや、まあ「コナンの身内に冤罪を着せる」よりはよっぽどマシですが……なぜ櫻井さんの脚本では、公安は素直にコナンに捜査協力を求められないのか。コナン脚本家の双璧、大倉さんの「ハロウィンの花嫁」では安室が正面から頭下げてたじゃん。なぜ、あの後でこんな協力の求め方をさせますか?風見だけ「ゼロの執行人」の時系列から「ハロ嫁(、黒鉄)」を抜かして今作に飛んできたんでしょうか?
櫻井さん、もしや自分が脚本担当してないコナン映画は観てないのか……?
 

  • しなきゃよかった司法取引

強盗犯の一人であり、司法取引で刑期を短くしてもらった鷲頭さんですが、あそこまで「自分は罪を償いきれていない」と悔いるような人が、なぜそもそも司法取引をしたのかが疑問です。
司法取引とは、「情報を出したくない犯罪者」と「罪を償わせたい捜査機関」がお互い「やりたくないこと」をし合うからこそ、利害の一致によって効果が出るもののはずなので、むしろ「刑期を短くしてもらったことを負い目に感じる」鷲頭さんのこと、取引などせずとも洗いざらい白状すりゃいいだろうに。それこそ、公安が先走ったということかしら。この辺り、謎を深めようとしたらキャラの言動がおかしくなってしまったようです。
 
とまあ、いろいろ書きましたが、とりあえず「私は櫻井武晴さんの脚本とはあまり相性が良くない」ということが、今作ではっきりしたように思います。面白くないわけじゃないんだけど、原作との齟齬やキャラクターの言動の矛盾がすごく目についてしまう。
とはいえ、「純黒の悪夢」や「黒鉄の魚影」ほどのありえないキャラ崩壊はないし、上に挙げた部分が気になってストーリー全体をまだ味わえていないので、今日また観てくることで、この微妙な印象を少しでも上げていけたら、と思っています。

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